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Fe石灰

『Fe石灰』の特徴


『Fe石灰』とは、土を固める土質安定材です。 酸化鉄と石灰を主原料とする石灰系の材料で、『Fe石灰安定材』が正式名称です。
Fe石灰安定材は主に土と混ぜて使用します。
その固める効果は、時間が経つほど増大していきます。
一般的に呼ばれる『Fe石灰』とは、土と混合した『Fe石灰処理製品』を指すことが多く、Fe石灰処理製品は主に道路工事や土木構造物の基礎、公園や遊歩道に使われています。
その他、軟弱土改良用の土質改良材『Fe石灰ライト』もラインナップされ、泥土や建設発生土などの改良に幅広く使われるようになりました。


原 料 ・ 成 分


酸化鉄
 酸化鉄 : 製鉄所における鉄の生産過程で副産される焼結ダストと呼ばれる
       微粉酸化鉄[Fe2O3


消石灰
 消石灰 : 生石灰に水を加えて水和反応させ処理したもので、発熱性がない石灰。
       成分は水酸化カルシウム[Ca(OH)2


固化・反応の仕組み


強度増加イメージ Fe石灰安定材の固化作用は大きく3つに分けられます。
初期は消石灰の『イオン交換反応』による急速な固化作用。
中~長期は消石灰の『ポゾラン反応』と『酸化鉄の形態変化』による持続的固化作用。
この3つの化学反応によってFe石灰安定材は長期的に強度を増加していきます。

『イオン交換反応』とは、消石灰が土に含まれる水に溶解しイオン交換され、土の粒子表面に吸着・帯電変化することで、土の粒子同士がくっつき、団粒化する作用です。

『ポゾラン反応』とは、イオン交換反応により土に含まれる水がアルカリ性質に変わることで、土に含まれる粘土鉱物と化学反応し、不溶性の水和化合物が生成され、 土の粒子を凝結させる作用で、この反応は長期的に継続します。

鋤床の原理 『酸化鉄の形態変化』とは、干拓地などの水田の作土の下に形成される硬い層『鋤床すきどこ』と同じ原理です。
この原理は、土に含まれる水に酸化鉄が水和されて2価の水酸化鉄に変化し、さらに酸素との反応により還元・酸化を繰返し、水酸化鉄はゲル状の鉄加水酸化物を形成します。
その作用が繰返し行われることによって鉄加水酸化物の結晶は発達し、架橋構造を形成して構造的に安定します。
自然界では鋤床の形成に60年以上の歳月を要しますが、Fe石灰安定材を用いると早期に形成することができます。 この反応も経過時間に比例して長期的に効果が現れ続けます。
酸化鉄の形態変化