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弾性理論

九州唯一のサンドイッチ舗装工法


Fe石灰工法は、昭和37年(1962年)から舗装基盤となる路床補強工法として適用され、昭和53年(1978年)のアスファルト舗装要綱改訂に伴って路床構築の設計方法が規定されたことから、 本工法のそれまでの約17年間の適用実績(439万m2)に基づき、建設省(現国土交通省)・土木研究所の指導により、昭和54年(1979年)にサンドイッチ舗装工法の1種として定められるとともに、設計要領が作成された工法です。
現在ではサンドイッチ舗装工法の代表的な例として、国土交通省・九州地方整備局 土木工事設計要領にも記載され、公に認められた工法です。

サンドイッチ舗装工法とは?


標準的なサンドイッチ舗装 軟弱路床上にアスファルト舗装を構築しようとする場合に適用する舗装工法の一つ。 軟弱な路床の上に砂層や砕石層を設け、その上に厚さ10cm~20cmの貧合材コンクリートまたはセメント安定処理路盤材料などの剛性の高い層を設け、その上に粒状材料の路盤、加熱アスファルト混合物による基層、表層を設ける舗装です。
軟弱路床上に剛性の高い拘束層を設けることにより、路盤以上の施工性を確保するとともに、路床土や間隙水の上昇を遮断し、路床面での垂直応力を極小として路床の変位を抑制し、軟弱路床上で耐久性の高い舗装を構築する方法です。
なお、国土交通省・九州地方整備局 土木工事設計要領では『路床上に直接Fe石灰処理土(交通区分に応じた設計CBRとする。)による層を舗設し、その上に交通量区分に応じたアスファルト舗装を設計することがある。この工法をサンドイッチ舗装工法という。』とされています。
また、同要領では『この工法による断面は、一般の舗装のCBR-TA法による設計方法は採用できず、多層弾性理論にもとづく解析が必要である。』とされており、Fe石灰工法では適用当初より弾性計算を用い設計を行っているため、理想的な舗装設計を実現しています。

Fe石灰工法の設計方法


Fe石灰工法では適用当初より二層構造による弾性計算で設計を行っていました。しかし、昭和53年(1978年)のアスファルト舗装要綱改訂に伴い、建設省(現国土交通省)・土木研究所において、本工法を多層構造による弾性理論計算式で解析した結果、二層式とほぼ近似した値が得られたため、 Fe石灰工法はサンドイッチ舗装工法に位置づけられ、それ以降は、二層構造による弾性理論計算式を用い、設計輪荷重に対するたわみ量によって舗装の構造設計を行っています。
また、本工法の設計方法(設計基準)は昭和58年(1983年)に全国道路事業担当者会議に九州地区要望議題として提出され、建設省(現国土交通省)・道路局より『今後も使用してよい』との回答により、公にも認可されています。

50年の歴史が信頼の証し


Fe石灰工法は、国内でも有数の軟弱地盤地域である佐賀県にて昭和37年(1962年)より「舗装基盤と路床補強を兼ねるFe石灰処理層を、軟弱地盤上に設ける工法(サンドイッチ工法)」として適用されて来ました。 今日までの50年間で、累計約4500万m2もの適用実績となり、九州各地で適用される一般的な工法となりました。
現在では、Fe石灰処理土の特性を生かした路盤材「粒調Fe処理材(粒調Fe石灰路盤材)」を舗装に適用することで、 舗装の長寿命化を実現する工法「リベースジョイント(リベース)工法」がNETIS(国土交通省・新技術情報提供システム)にも登録され、 国土交通省・九州地方整備局 土木工事設計要領では標準路盤材にも採用されています。また、各自治体で実施された多くの試験施工・追跡調査から高い供用性が実証されており、道路交通振動の低減効果に優れる唯一の舗装工法(TRSP)として、 専門誌などで全国的に紹介されています。さらには、粒調Fe処理材(粒調Fe石灰路盤材)は環境省の定める「グリーン購入法の特定調達品目適合商品」となっております。
※TRSP…「Tremor Reducing Structure of Pavement」車両走行により発生する道路交通振動を抑制する舗装構造(低振動舗装)